こんにちは、おぽきょです。

2018年、私がJICA海外協力隊としてアフリカ・カメルーンで過ごした2年間の体験を綴った一冊の本を、自費出版いたしました。タイトルは、『ぼんじゅーる、カメルーン』です。

この本は、決してキラキラした成功譚ではありません。 就活に失敗し、逃げるように日本を飛び出したごく普通の20代の若者が、言葉も文化も違う土地で、泣いて、笑って、たくさん失敗して……それでも現地の人々の温かさに支えられながら、自分だけの「答え」を見つけていく、不器用な日々の記録です。

この記事では、私がなぜこの本を書こうと思ったのか、その背景にある想いと、本の中身を少しだけご紹介させてください。

なぜ、私はこの本を書こうと思ったのか

この本のベースになっているのは、私が協力隊時代にひっそりと書いていたブログ(日記)です。当時は、誰かに読ませるためというより、日本とはあまりに違う日常の驚きや、うまくいかない活動への葛藤を、ただただ書き殴るための避難場所でした。

帰国後、その拙い文章を読み返してみると、そこには、あの2年間でしか感じ得なかった強烈な「感情」や「学び」の欠片が、たくさん散りばめられていることに気づきました。

「この経験は、きっとかつての私と同じように悩んでいる誰かの、背中を押すきっかけになるかもしれない」

友人からの勧めもあり、当時のリアルな息遣いはそのままに、一つの物語として再編集したのがこの本です。

本の中身を、少しだけお見せします

この本では、協力隊のリアルな日常をいくつかのテーマに分けて綴っています。ここでは、その一部を抜粋してご紹介します。

1. 異文化に触れるということ

「肌の色や話す言葉が違えど 皆同じ人間だ」 一見深みのありそうなそんな言葉も、飲み干されたペットボトルのように揉みくちゃにされてしまうくらい、人は違う。 綺麗 汚い、明るい 暗い、面白い 面白くない、優しい 冷たい、分かる わからない、安い 高いーーこれまでの全ての価値観は覆され、全てはまるで敵のようで、言葉は伝わらなくて、聞き取ることもできない。 呆れた顔をするホストマザー、運転の荒いタクシーの運転手、汚い車内、ガソリン臭い道路、悪臭の漂う川、残飯で汚れた手で私の髪を触る子どもたち。

私の語学力ではカメルーンを垣間見ることさえできない。人と理解し合うということはとてもとても難しい。 日本に生まれ育った者同士でさえそれは難しいのにーー全く違ったこの地に生きる人々と、私はどのようにして溶け合ってゆくのだろう。

2. 仕事の現場での葛藤

――大変なことが多いけれど、学校は好きだ。 埃やチョークの粉が舞っていて喉をやられるし、雨が降れば私たちの話し声はたちまちかき消されてしまうし、時にはたった一人で70人を超える中学生を相手に独りで話さなければならないときだってある。 それでも、生徒たちが私を無邪気に慕ってくれて、授業の内容に興味を示してくれて、しっかり話を聴いてくれて、先生たちが忙しい中時間を割いて助けてくれていることが、来週へのエネルギーになるのだ。

仕事が終わって帰路に就いた際、知らない学校の制服の子が複数人じろじろと私を観察し、すれ違った矢先に「ヒーホーヒーホーシャンシャン(中国語っぽくからかっているつもりらしい擬音語)」と叫ばれ、くすくすと笑い声が聞こえると、「ああ、あの子たちは知らないだけなんだよなあ」と切ない気持ちになる。

3. 私がアフリカで学んだ、本当の「豊かさ」とは

アフリカは――カメルーン、というべきなのかもしれないが――「美しい」場所である。矛盾した存在の人間が住まうにふさわしい大地である。そこには日本にはない豊かさが確かに存在していた。

「貧しい」国とは何なのか。発展途上国とは何なのか。 彼らは貧しくないと私は思う。彼らの心は、彼らの瞳は、私が日本で見た哀しい瞳よりもずっと澄んでいて、生命に溢れていると感じる。

したたかに生きている――と悪いようにも捉えられるかもしれないが、少なくとも私は今日を確かに生き貫く姿勢を尊敬したいと思う。無力な私がここでできるのは、そこで出会った人と精一杯話をして、私の存在を少しでも記憶してもらい、’Japon’という遠く離れた見知らぬ国についてカメルーンの方々に認識してもらうことくらいである。

この本を、こんなあなたに届けたい

この本は、単なる「国際協力の体験談」ではありません。

  • かつての私のように、キャリアや人生の道筋に迷っているあなたへ

  • 今の日常に、何か物足りなさを感じているあなたへ

  • アフリカという大陸の、リアルな息遣いを感じたいあなたへ

そんな、全ての「一歩を踏み出したい」と願う人への、私からのささやかなエールです。私の不器用な2年間の旅路が、あなたの心を少しでも軽くし、明日への希望となることを心から願っています。

(※自費出版のため、当時の日記の生々しさを残す意味でも誤字脱字などはあえてそのままにしている部分があります。あらかじめご了承ください)

▶︎単行本(ペーパーバック)の詳細

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