暗い空に浮かぶ電線のシルエットが、妙に不気味に感じるのはなぜだろうと考えながら歩いていた。人気のない道、時折車が通り過ぎる。沈む夕日が西の空をオレンジに照らしている。空を仰ぐと暗い青が広がっている。雲はなく、音もない。部活を終えた中学生たちとすれ違ったとき、その笑い声が私を引き戻した。「生活」。電線をもう一度見た。それは生活をつなぐ網。血液のように流れる電流。誰もが電気を、水を、消費する。飯を食い、排泄する。物を使い、ゴミを出す。道端にはゴミ一つ落ちていない。とても清潔なコンクリートの道がずっとずっと続いている。古そうな電灯がぼんやりと何もない場所を照らしている。それをしるべに、私は歩道を捉える。黒い電線をもう一度見る。それは人々の生活をつなぐ網。私もそこに含まれている。血液のように流れる電流が脈打つのを、じっと、聞く。人気のない、でも人が住む街。沈黙。でも溢れている生活音。庭木の実、掘り返された雑草、枯れた田んぼ。飼い慣らされた自然。空は電線のシルエットで埋め尽くされる。暗い青のそれは、やはりどこか、不気味に沈んでいた。

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