「人生なんて、きっかけひとつ」

JICA海外協力隊のホームページを開くと目に飛び込んでくるこの軽やかなフレーズ。私もかつて、心の中の小さなきっかけを信じて必死に書類を作り、周りに助けられながらアフリカへの切符(合格)を掴み取りました。

もし今、あなたが少しでも協力隊に興味があるなら、「いつか」ではなく「今」チャレンジしてほしいと強く思います。なぜなら、「やってみよう」と思った時に、必ずしも希望する要請(募集)があるとは限らないからです。(過去にはパンデミックによって全隊員が一時帰国を余儀なくされた異例の事態もありました。チャンスは永遠にあるわけではありません)

この記事では、元・海外協力隊員(カメルーン/環境教育)であり、帰国後にJICAの協力隊事業をサポートする国内スタッフとしても働いた経験のある私が、「応募の流れ」「今すぐやるべき準備」「時代を超えて役立つ必読書」を徹底解説します!

JICA海外協力隊の応募の流れとスケジュール

そもそも「JICA海外協力隊って何?」という方は、まず公式の事業概要ページをチェックしてみてください。

協力隊の募集は、基本的に「春募集(5〜6月頃)」「秋募集」の年2回行われます(※最新のスケジュールは必ず公式HPで確認してください)。

選考に筆記の学力テストなどはなく、以下の流れで進みます。

  1. 書類選考(JICA独自の履歴書・志望動機書などの提出)

  2. 健康診断・語学力スコアの提出(TOEIC、TOEFL、IELTSなど)

  3. 面接(書類選考通過者のみ)

合格への第一歩!応募開始前にやるべき3つのアクション

「よし、受けよう!」と心に決めたなら、募集が始まる前から準備に取り掛かることを強くおすすめします。私は大学4年の秋に応募を決めましたが、「いくら時間があっても足りない!」と痛感しました。

協力隊は単純な「難関試験」ではありません。社会人も学生も、合否を分けるのは事前の徹底した情報収集です。

1. 公式サイトと募集要項の徹底チェック

何よりも最初に、ホームページに更新される「事業概要」と「応募要項」に隅から隅まで目を通しましょう。これがすべての基本です。

2. JICAセンターで「元隊員」に直接相談する

「JICAで働いている人=全員が外国語ペラペラで海外を飛び回っているエリート」というわけではありません。全国にあるJICAセンターには、過去に協力隊を経験したスタッフ(国内協力員など)がたくさん在籍しています。

彼らは、応募の際のポイントや派遣後のリアルな生活について、ざっくばらんに話を聞かせてくれます。行動する人ほど、合格のヒントをたくさんもらえます! ぜひお近くのJICAセンターに足を運んでみてください。

3. 無料イベントや応募説明会への参加

「いきなり相談に行くのはハードルが高い…」という方は、オンライン・オフラインで開催される応募説明会や、JICAの取り組みを紹介する無料イベントに参加してみましょう。 国際協力系求人サイト「PARTNER」にもイベント情報が掲載されているので、随時チェックすることをおすすめします。

今は小説しか読まない元隊員が厳選!色褪せない「協力隊のバイブル」3選

正直に告白すると、私は20代の頃に国際協力系の専門書を読み漁って以降、今ではすっかり小説ばかり読んでいる人間です。 しかし、そんな私が「時代が変わっても、この本に書かれている人間の本質や哲学は絶対に古くならない」と断言できる、普遍的な名著があります。

面接対策としてはもちろん、途上国でのリアルな活動の「お守り」になる3冊を厳選しました。

1. 和田信明・中田豊一『途上国の人々との話し方―国際協力メタファシリテーションの手法』

協力隊の派遣前訓練(技術補完研修)の課題図書にもなる、現場コミュニケーションの絶対的なバイブルです。 分厚くて少し高価ですが、筆者が途上国の現場で行った試行錯誤が具体的なエピソードとして書かれているため、物語のようにスラスラと読めます。「相手の本当のニーズを引き出す」という技術は、途上国に限らず、帰国後の日本社会でも最強の武器になります。最初から熟読するのではなく、目次を見て気になるところをかいつまんで読むのがおすすめです。

2. 緒方貞子『共に生きるということ』

「JICAじゃなくて国連難民高等弁務官?」と思うかもしれません。しかし、元JICA理事長でもある緒方貞子さんは、私が世界一尊敬する偉大な日本人です。「世界のSadako Ogata」の哲学と、現場を歩き続けた力強い言葉を知らずして途上国へ行くのはもったいない!インタビュー形式で構成されているため、国際協力の知識がなくてもスッと心に入ってきます。マインドセットを整える最初の一冊に最適です。

3. 長尾彰『宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。』

大人気漫画『宇宙兄弟』を題材にした、リーダーシップとチームビルディングの本です。「なぜ途上国へ行くのに宇宙兄弟?」と思うかもしれませんが、協力隊の活動は現地の同僚(カウンターパート)と一心同体になって進める「チーム戦」です。 文化も言語も違う環境で、うまく周りを巻き込み、気持ちよく動いてもらうための「環境づくり」のガイドブックとして、スーツケースに忍ばせておきたい一冊です。

まとめ:合格への最短ルートは「情報収集」から!

協力隊応募への第一歩は、とにかく【情報収集】に尽きます。

  • 公式サイトでスケジュールを確認する

  • JICAセンターやイベントで「生の声」を聞く

  • 関連書籍を読んで国際協力の視点を養う

まずはこの3つから始めてみてください。 次回(後編)では、実際に私が経験した「書類選考の書き方のコツ」と「面接のリアルな様子や対策」について詳しく解説します!

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