こんにちは、おぽきょです。
「国際協力の仕事をしたいけれど、どんなスキルが必要なのだろう?」と悩んでいませんか?実は、国際協力の現場で役立つ力は、学校で習う勉強や資格よりも、日常生活で身につけられることが多いのです。
私自身、JICA海外協力隊としてカメルーンで活動した経験や、ベンチャー企業の海外駐在員、モロッコでの国際機関勤務、現在の日本のNPOでの遠隔勤務を通して、
「まさかこれが役に立つなんて!」と思うようなスキルに何度も助けられました。
この記事では、私の体験をもとに「国際協力の仕事で役立った意外なスキル」を7つご紹介します。すぐに真似できるものばかりなので、「自分には向いていないかも」と感じている方も、きっと前向きな気持ちになれるはずです。
国際協力で求められる力は意外と多い
結論から申し上げると、国際協力の現場では柔軟な対応力と人との関係づくりが特に重要です。
その理由は、以下のような場面に頻繁に出会うからです:
- 約束の時間に相手が来ないことがある
- 電気や水道が突然止まる
- 現地の文化や考え方が日本と全く違う
このような状況では、教科書的な対応よりも、臨機応変に動く力や気持ちの切り替えが試されます。たとえば「相手が来ない=失礼」と考えるのではなく、「もしかしたら理由があるのかも」と発想を変えられることが大切です。
つまり、国際協力に必要なスキルとは、試験で測れるものではなく、日々の生活で育まれる力なのです。
実体験から学んだ意外な7つのスキル
① 意見をはっきり言う力
日本では往々にして、相手の立場や状況を想像して判断する力が求められますよね。でも、海外では相手にそれを期待しても虚しい結果に終わることが多いです・・・。
特に、母語が違う人同士では、言葉の使い方も微妙に異なるため、まずは意見をはっきり伝えることが大切です。
すると相手からもはっきりとした意見が返ってくることが多いでしょう。わからないことがあれば積極的に質問することも大切です。
私の場合、「誰が読むのか?」「なぜ必要なのか?」を先に質問するようにして、的外れな資料作成を防いでいました。
② 予定が変わっても笑える心
国際協力の現場では、予定通りに進むことのほうが少ないかもしれません。打ち合わせが急にキャンセルされたり、会場の手配が間に合わなかったりと、想定外のことが日常的に起こります。
そんなときに役立つのが、「まあ、そういうこともあるよね」と思える気持ちの余裕です。
たとえば、モロッコでイベントを企画した際、前日になって共催者に実施をキャンセルされた経験があります。当時はショックを受けましたが、
事後処理や必要な手続きを自身で経験したことで、今後の教訓にもなりましたし、別のイベントですぐに改善を心がけ、イベント実施の質が向上したと体感できました。
【ポイント】
- 笑顔を忘れない
- 状況を受け入れる
- 次の一手を柔軟に考える
シンプルで簡単そうに見えますが、意外と難しいですよね。
こうした気持ちは、日々の小さな「想定外」に慣れることで育ちます。
電車の遅延や雨の日の予定変更なども、よい練習になりますね。
③ お金のやりくりがうまくなる力
国際協力の現場では、限られた予算内で効果を出す工夫が求められます。
特にNPOや途上国の行政機関では、資金が十分でないことが珍しくありません。
私がカメルーンで活動していたとき、活動に使える資金はほとんどありませんでした。
そこで、現地の市場で手に入る廃材や新聞紙、空き瓶のフタなどを使って自作の教材を作成しました。
これが子どもたちに意外と好評で、地元の先生にも喜ばれました。
このスキルは、ふだんの生活でも活かせます。たとえば:
- 食費や光熱費を見直す
- 100円ショップや中古品を活用する
- 手作りや再利用を楽しむ
「少ないお金で工夫する力」は、世界中どこでも役立つ力です。
④ ゆっくり・簡単なことばで話す技術
外国語で会話をするとき、早口になってしまうと相手が理解できなくなってしまいます。そのため、はっきり、ゆっくり、ていねいに話す技術がとても大切になります。
たとえば、私が仏語で打ち合わせをしていたとき、伝えたいことを一気に早口で話してしまうことが多々ありました。
特に資格を得るために仏語を一生懸命勉強していた時には、ちょっと難しい言い回しなんかも使いがちだったのですが、
「もう一度言って」と何度も聞き返されました。
そこで、ゆっくり・シンプルな言い回しで話すことを意識するようにしたところ、伝わる率が大きく上がりました。
これは、日本語でも同じです。
たとえば:
- 電話で話すときに少しだけ間を取る
- 小学生でもわかる簡単なことばで話す
- 相手の表情を見ながら話す
こうした話し方は、どんな国でも信頼感につながります。
⑤ 自分のペースを崩さない
海外での生活は、日本のような快適な生活とは異なっていることが多いです。
日本食が食べれない(または高い)、電気や水が不安定、慣れない気候、言葉の壁・・・などストレスの要因はあふれています。
だからこそ、自分のルーティンをしっかり持って、それを崩さないようにすることで自分の健康を維持できます。
たとえば私は、朝起きたらヨガをする習慣と、時間があれば散歩やストレッチをして体を動かす時間を必ず取るようにしていました。

あなたのルーティンはなんでしょう?朝起きて30分本を読む、ゆっくりコーヒーを淹れる時間を取る、などなんでもいいです。
ぜひ意識してみてね。
⑥ 現地の人を観察する力
国際協力では、相手の文化や価値観を理解することが欠かせません。そのために大切なのが、相手の行動をよく観察する力です。
たとえば、打ち合わせのときに「この人は誰の話をよく聞いているのか?」を観察すると、実はリーダーが別にいることに気づいたりします。見えない上下関係や空気感を読むことが、活動の成功につながります。
この力を高めるには、
- 表情やしぐさに注目する
- 話すよりも聞く時間を増やす
- 小さな違和感に敏感になる
「見る力」=「理解する力」なのです。
⑦ 「まあいっか」と言える力
最後にご紹介するのは、気持ちを切り替える力です。これは本当に大切です。
たとえば、何日も準備した会議が直前で中止になったとき、日本では「責任は誰?」と問題視されるかもしれませんが、現地では「次にやればいいよ」と軽く流されることがあります。
そんなときに「なんで?どうして?」とイライラしても意味はありません。「まあ、仕方ない」と思えるかどうかで、その後の動きが変わります。
この力は、心を守る盾にもなります。完璧を求めず、時には「今日は休もう」と思うことも、長く活動を続けるコツです。
国際協力の仕事に向いてる人の特徴とは?
これまでご紹介してきたスキルを振り返ると、国際協力の仕事に向いている人には、次のような特徴があります:
- 人の気持ちを想像できる
- 予定変更を楽しめる
- お金や時間を工夫して使える
- 目の前の人に合わせて話せる
- 細かいことにこだわりすぎない
つまり、特別な才能や資格よりも、「人との関わり方」や「考え方のクセ」が重要なのです。
「自分にそんな力はない」と思っても心配いりません。どれも毎日の暮らしで少しずつ身につけられます。
今からでも国際協力のスキルは身につけられる
これらのスキルは、海外に行かなくても日本にいながら育てることができます。
たとえば:
- 多様な人が集まる場所でボランティアをする
- 日記に「今日の想定外」とその対応を書いてみる
- 外国人向けの日本語教室でサポートする
また、学びのきっかけとして以下のような本もおすすめです:
- 『世界の「困った」に答える仕事』(田中美咲著)
- 『僕は13歳 職業、兵士。』(イスマエル・ベア著)
国際協力の現場は遠い存在ではなく、自分の暮らしの中からつながっていく世界です。
まず一歩!国際協力の仕事を体験してみよう
「スキルがないからまだ無理」と思う方も、まずは小さな体験から始めてみましょう。
おすすめの一歩としては:
- 青年海外協力隊(JICAボランティア)
- 認定NPO法人でのリモートインターン
- 開発教育やフェアトレードのイベントに参加
活動に関する情報は、JICA公式サイト(https://www.jica.go.jp)やJANIC(https://janic.org/)などから調べることができます。
行動を起こすことで、見える景色が一気に変わります。
【まとめ】意外なスキルが国際協力を支える
この記事では、「国際協力の仕事で役立った意外なスキル」を実体験に基づいて7つご紹介しました。
まとめると、求められるのは以下の力です:
- 曖昧な指示を読み取る力
- 予定変更にも笑える心
- 限られた中でやりくりする力
- ゆっくり話す力
- メールを短く書く力
- 観察して理解する力
- 気持ちを切り替える力
これらはすべて、特別な才能ではなく「日常生活の延長」で育てられるものです。
国際協力に少しでも興味がある方は、今日から身の回りの人との関わり方を見つめ直してみてください。一歩踏み出すだけで、世界とつながる準備は整います。