こんにちは、おぽきょです。
国際協力って聞くと、「人の役に立てる仕事」「世界を良くする活動」…そんな前向きなイメージがあるかもしれません。
でも実際に現場に出てみると、それだけじゃ語れない現実があります。
私は、大学でやりたいことも見つからず、なんとなく飛び込んだ青年海外協力隊で、はじめて「社会」と「世界」と向き合いました。その後、外務省関連のプロジェクトにも関わり、感じたのは「続けること」よりも「生き延びること」の大切さでした。
この記事では、キラキラしたイメージとは裏腹の“リアルな国際協力の現場”を赤裸々に語りつつ、これから目指す人への具体的なアドバイスをお届けします。
✨ 国際協力=「かっこいい」だけじゃない現実
「世界を救う」「人の役に立つ」――国際協力には、そんな前向きなイメージがつきものです。
私も大学時代、明確な目標がないまま、「何か意味のあることをしたい」という漠然とした想いでこの道に進みました。
しかし、実際に現場に立つと、理想と現実のギャップに直面します。
文化や価値観の違い、思うように進まないプロジェクト、言葉の壁…。
「支援する側」としての立場から一歩引き、相手の暮らしや背景に寄り添うことの大切さを痛感しました。
それを教えてくれたのは、他でもない支援先の現地の人々で、自身はいったいなんのためにここにいるのだろう?、支援ってなんだろう?と自問し続ける毎日でした。

青年海外協力隊で見た、希望と絶望
協力隊として派遣された現場では、想像を超える出来事の連続。
停電断水が当たり前。雨水で生活するのが当たり前。
言葉も通じない。仕事の成果もなかなか見えない。
けれど、それでも笑顔をくれた現地の人たちや、言葉では表現できない瞬間の数々が、希望でもあり、矛盾でもありました。
カメルーンでの協力隊時代、現地の中学校で環境教育の授業を担当していましたが、
思うように授業が進まず、自己嫌悪に陥る日々もありました。今思えば、新卒で「何かできる」「何か特別なことをしたい」と意気込んでいた自分こそが愚かだったと思うのですが、当時は先生たちと連携したり、生徒たちが参加型の授業をできるように様々な工夫を凝らすことに必死でした。毎日一人緊張感の中で、ゆったりと毎日を暮らす現地の人との距離感を感じていました。
それでも、生徒たちの笑顔や、近所の人々の温かさに支えられました。
現地で綴っていた日記にこんなことが書いていました。
協力隊の活動の中で出会った、カメルーンのお父さんのような存在、エバレさん。
農業を本業としている彼だが、ニーナ中学校で理科と数学を教えてもう20年以上が経つというベテラン教師でもある。
ひいき目なしで、彼は教えるのが上手だなあと思う。教える相手の側に立って気持ちを汲み取ることができるから、生徒達にも人気がある。何度、「彼に数学を教わりたかった」と感じたことか。
私や、他の日本人ボランティアを気にかけてくれて、問題があれば助けてくれるし、時間があれば一緒にバーに赴き、たわいもない話をする。
家族のような存在でありながら、職場では一緒にチームとして働くことのできる良き同僚でもある。
気づけばいつも、私は一人で思い詰めているだけで、必ずそばに、静かに寄り添ってくれる人が常にいました。
自分は何もできない。学ばせてもらってばかりだ。それはある意味甘えなのかもしれない。
けれど、私にとってカメルーンでの協力隊経験こそが、国際協力の道に進もうと決意したきっかけでした。
🎓海外の大学院で学んだ「意見を言う」ことの難しさ
JICA海外協力隊の後、私は国連平和大学(UPEACE)とアテネオ・デ・マニラ大学の連携プログラムで、社会開発学と環境開発学の修士号を取得しました。
この経験は、単に知識を得る以上に、「世界の中で自分の声を持つこと」の難しさと向き合う大きな転機でした。
世界中から集まった仲間たちは、それぞれの国や文化に根ざした価値観や「正義」を持ち、それを論理的に、明確に、主張する力に長けていました。特に西欧出身の学生たちは、英語を母語とし、議論の場でも自信を持って自分の意見を述べます。
対して私は、英語で自分の考えを伝えるスピードや語彙の面で壁を感じ、議論についていけない場面もしばしば。「自分の意見を持っていない」と見なされるのでは、という焦りや悔しさ、不平等さに苛まれる日々がありました。
さらには、食や文化をめぐる価値観の衝突も印象的でした。ヴィーガンやベジタリアンの学生が、動物性食品を食べる文化を「環境や命への配慮が足りない」と批判する姿勢に、私は戸惑いました。それがまるで、各地に根づいた伝統的な食文化までも否定するように感じられたのです。
そんなとき、同じ奨学金で学ぶアジア出身の仲間たち(日本、フィリピン、ミャンマー、カンボジア、タイ、インドネシアなど)と顔を合わせると、ほっとして「ただいま、アジア」と感じたものでした。沈黙を恐れず聞く姿勢、相手を慮る態度、立場の違いへの共感――アジア的な価値観は、グローバルな場でも強みになり得ることを学びました。
🏛 外務省(在外公館)で見えた「発信する」ことの責任
大学院修了後、私はアフリカの日本大使館で広報文化事業やODA(草の根無償資金協力)を担当しました。
大使館という「国家の顔」で働くことで、今度は「個人として意見を言う」から、「国の立場を伝える」責任へとステージが変わりました。
文化イベントの実施、地元メディアとのやりとり、SNS発信など、すべてにおいて日本という国のイメージを意識する必要があります。また、ODAの現地調査や資金援助プロジェクトでは、相手国のニーズと日本の政策の間をつなぐ調整役としての役割も担いました。
このとき、大学院で感じた「価値観の違い」はより実務的に迫ってきます。現地の人々の想いをどこまで汲み取れるか、自分たちの正義を押しつけていないか。
言葉や立場の差を超えて、対等な信頼関係を築くことの難しさと大切さを実感しました。
🌱「今のあなたの気持ち」が大切――遠回りでもいい、あきらめなくていい
国際協力というと、「JICAに入らなければ」「外務省で働かなければ」「大学院に進まなければ」「語学ができなければ」といった“王道”のルートを思い浮かべる人も多いかもしれません。
でも、そうした進路がすぐには見えない、あるいは語学や学業に苦手意識があるからといって、「国際協力に関わりたい」という気持ちそのものを手放してしまうのは本当にもったいないと思います。
私自身も、進路に迷いながらJICA海外協力隊に参加し、その後ベンチャー企業や大学院、外務省勤務などさまざまな道をたどってきました。でもその原点にはいつも、
「海外と関わって、誰かの役に立てる仕事がしたい」というシンプルな気持ちがありました。
たとえ遠回りに感じても、不器用でも、いまのあなたが感じている小さな「やってみたい」の気持ちは、間違いなく未来につながっています。
だからこそ、あれこれ考えて立ち止まってしまう前に、「今すぐできる一歩」を踏み出してみてほしいのです。
次の章では、これから国際協力の道を目指したい人に向けて、今日からでも始められる「おすすめの行動3選」をご紹介します!
🎯 今日からできる!国際協力を目指す人におすすめの行動3選
① 小さな興味を深掘りして「好き」や「疑問」に気づく
国際協力は壮大なテーマに思えるけれど、はじまりは「なんでこんなに格差があるんだろう」「なんであの国では学校に行けない子どもが多いの?」という素朴な疑問や、「この国の文化が好き」といった好奇心で十分。
私も大学時代に読んだ一冊の本や、たまたま見たニュースから「もっと知りたい」と感じたことが、将来の道につながっていきました。
あなた自身の関心や違和感を大事にすることが、最初の一歩になります。
② 人とつながる:ボランティア・イベント・勉強会に参加してみる
国際協力系のイベントやスタディーツアー、勉強会、ボランティア活動に一度でも顔を出すと、同じ思いを持つ人との出会いや、実際の仕事の現場を知るチャンスが得られます。
JICAの体験談イベントやNGO主催のセミナー、大学の公開講座などもおすすめです。
「なんとなく知っていた世界」が、ぐっとリアルに見えてきます。
③ 書く・話すことで、自分の思いを形にする
進路に迷っていた時、私は自分の思いをノートに書いたり、人に話すことで「自分が本当にやりたいこと」を少しずつ言葉にできるようになっていきました。
今ではその延長線上でブログを書き、過去の自分と同じように迷う人に向けて発信しています。
情報収集だけでなく、自分の中にある気持ちを言葉にしてみることで、方向性が見えてくることもありますよ。
国際協力を目指すあなたへ、伝えたい3つのこと
やりたい理由は「逃げ」でもいい
最初の一歩は弱くてもOK。動いたことがすべて。現場は想像の100倍リアル
正解のない世界で、自分なりに試行錯誤する力が問われる。キャリアはジグザグでいい
協力隊からNPO、外務省、そして地方リモート勤務の今にたどり着いた私のように、道はひとつじゃない。
✍️ まとめ|国際協力は「特別な人」だけの道じゃない
国際協力と聞くと、語学が堪能で、経験豊富で、JICAや国連で働くような“すごい人”がやること――そんなイメージを抱く人も多いかもしれません。
でも実際は、「語学ゼロ」「専門知識ナシ」「新卒」からでも始められる道はたくさんあります。私自身、大学時代には海外経験もなく、協力隊に応募するまでは国際協力の「い」の字も知らなかった人間です。
それでも少しずつ、自分の好きなこと・得意なことを大切にしながら道を切り拓いてきました。そして今は、国際協力の一端を担う仕事を、自分のペースとスタイルで続けられています。
あなたにとっての「国際協力」のかたちは、あなたにしかつくれません。 やり方は一つじゃないし、「正解」もありません。
まずは、今日の記事の中から気になる選択肢を1つ、調べてみることから始めてみてください。 きっと、あなたの「今の気持ち」が、未来の誰かを救う力になるはずです。
👉 次は「おすすめの行動3選」もチェックしてみてくださいね!