こんにちは。元JICA海外協力隊で、アフリカ・カメルーン(フランス語圏)に派遣されていた、おぽきょです。
「フランス語って、オシャレだけど難しそう…」 「何から始めたらいいか、全く分からない」
かつての私がそうだったように、華やかなイメージとは裏腹に、どこか高い壁を感じていませんか?
ご安心ください。 この記事でお伝えするのは、スマートな学習理論ではありません。 フランス語の「ぼんじゅーる」しか知らなかった私が、電子辞書とノートだけを武器に、現地の生活の中で体当たりで語学を習得した、非常に泥臭い、しかし効果は絶大だった学習法の全てです。
この記事を最後まで読めば、高価な教材やスクールに頼らなくても、あなたの「話したい」という気持ちを、着実に「話せる」自信に変えるための、具体的なヒントが手に入ります。
Contents
私が1年で達成した「話せる」の具体的なレベル
まず、私がこの泥臭い勉強法を1年間続けた結果、どれくらい話せるようになったかをお伝えします。
- 相手の言うことの理解度:6〜8割
- スピーキング:最近の出来事について、簡単なディスカッションができる
- 資格:DELF B1に一発合格、DELF B2に3回目で合格
決してペラペラではありません。しかし、現地の人々と、心と心でコミュニケーションが取れると自信を持って言えるレベルには、到達することができました。
【大前提】フランス語学習に必要な、たった2つの「武器」
私がカメルーンに持っていった武器は、たった2つだけです。
- 電子辞書と、一冊のノート スマホのアプリも便利ですが、電気が不安定な途上国では、電池式の電子辞書は命綱でした。そして、学んだことを書き殴るための、ただのノート。道具はこれだけで十分です。
- 「教えてください」と頭を下げる、素直な心 これが最も重要です。プライドは捨てて、「これはどういう意味?」「今の言葉、もう一度言って」と、子どもように、何度も周りに聞く。この姿勢こそが、最強の学習ツールになります。
私が実践した、泥臭いけど効果絶大の勉強法7選
「生きた会話」を丸ごと盗む
私が一番やったのがこれです。親切な派遣先の先生や、近所の青年たちとの会話の中で、分からない単語が出てきたら、その場で会話を止めて、電子辞書で意味を調べる。そして、その場で使ってみる。 10代の青年たちの早口なスラングに、最初は馬鹿にされながらも、必死に食らいついていきました。教科書には載っていない「生きた言葉」を浴びるようにインプットし、即座にアウトプットする。この繰り返しが、何よりの近道でした。
「一冊の参考書」を、ボロボロになるまで解く
会話と並行して、基礎固めも必須です。私は「Cle International」という文法書のシリーズを、停電で真っ暗な部屋の中、蝋燭の光を頼りに、ひたすら解き続けました。リスニングCDを聞いている途中で、PCのバッテリーが切れたことも一度や二度ではありません。スマートさとは無縁ですが、この一冊をやり遂げたという事実が、大きな自信になりました。

「音読」で、口の筋肉をフランス語に慣らす
覚えたフレーズや、参考書の例文をとにかく声に出して読む。これは、フランス語を話すための「口の筋トレ」です。最初はぎこちなくても、毎日続けることで、口がスムーズに動くようになります。
「独り言」で、24時間フランス語漬けになる
相手がいなくても、話す練習はできます。朝起きたら「Je me lève.(起きる)」、水を飲んだら「Je bois de l'eau.(水を飲む)」。日常の全ての動作を、強制的にフランス語で実況中継するのです。恥ずかしいのは、最初の3日間だけです。
「シャドーイング」で、耳と口を直結させる
リスニングが苦手な方におすすめなのが、聞いた音声を、少し遅れて影(シャドー)のように追いかけて発音する「シャドーイング」です。これにより、「耳で聞いた音」と「口から出す音」が直結し、リスニング力と発音が一気に向上します。

「学習記録」で、自分の頑張りを可視化する
ノートに、今日覚えた単語や、話せたフレーズをメモする。カレンダーに、勉強した日は〇をつける。地味ですが、自分の小さな進歩を「見える化」することで、「今日も頑張れた」という自己肯定感が生まれ、明日へのモチベーションに繋がります。
資格試験(DELF)を「強制的な目標」にする
最後に、DELFや仏検といった資格試験に申し込んでしまうこと。これは、自分を追い込むための最高の「強制イベント」です。「試験日」という明確なゴールがあることで、学習の密度が格段に上がります。私も、任期終了ギリギリでDELF B2に合格できた時の喜びは、忘れられません。
まとめ|語学は、あなたの「本気度」を裏切らない
私がフランス語を学んだ2年間は、決してスマートなものではありませんでした。 しかし、あの停電の暗闇の中で、蝋燭の光を頼りにノートに向かった時間こそが、私の人生を豊かにしてくれた、かけがえのない「成功体験」として、今も心に残っています。
特別な才能は必要ありません。 「話せるようになりたい」という、あなたのその「本気」の気持ちと、今日ご紹介したような泥臭い実践さえあれば、語学は、そして人生は、必ずあなたの努力に応えてくれます。
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