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【元協力隊が解説】JICA海外協力隊になるには?費用・条件から、未経験で合格するコツまで

こんにちは。大学卒業後すぐ、JICA海外協力隊としてアフリカ・カメルーンに派遣された、おぽきょです。

「海外で、誰かの役に立つ仕事がしたい」 「でも、特別なスキルもないし、英語も苦手…。自分なんかがなれるわけない」

かつての私がそうだったように、憧れと不安の狭間で、一歩を踏み出せずにいませんか?

大丈夫です。協力隊は、決してエリートだけのものではありません。

この記事では、私のリアルな体験談を元に、応募条件や費用、倍率といった基本情報から、社会人経験のない新卒の私が、どうやって合格を勝ち取ったのか、その具体的なコツまで、包み隠さずお話しします。

この記事を最後まで読めば、「自分にもできるかも」という確信と、次の一歩を踏み出す勇気が手に入るはずです。

 

 

そもそも、JICA海外協力隊とは?

 

JICA海外協力隊(旧:青年海外協力隊)は、日本政府(JICA)が実施するボランティア事業です。アジアやアフリカ、中南米などの開発途上国へ原則2年間派遣され、現地の人々と共に生活し、地域の課題解決に取り組みます。

募集は年に2回(春・秋)あり、環境、教育、医療、IT、スポーツなど、あなたの興味や経験を活かせる200種類近くの職種があります。

【一覧】応募条件と待遇|費用はかかる?給料は?

 

「海外で2年間もボランティアなんて、お金がかかりそう…」と心配になるかもしれませんが、ご安心ください。

協力隊への参加に、自己負担費用は原則かかりません。 それどころか、現地での生活費が支給され、任期満了後にはまとまった手当も受け取れます。

項目内容
応募条件20歳~39歳の日本国籍を持つ方。心身ともに健康であること。
語学力英検3級またはTOEIC330点以上が目安。中学英語レベルでOK。
参加費用原則無料。渡航費、現地での住居費、生活費、医療費は全てJICAが負担。
待遇・現地生活費(月8~13万円程度)・社会復帰手当(約200万円)の支給
派遣前訓練約70日間の合宿形式の訓練(語学、安全対策など)への参加が必須。

そう、協力隊は「お金を払って参加する」のではなく、むしろ**「生活の心配なく活動に集中でき、帰国後の資金も準備できる」**という、非常に恵まれた制度なのです。

 

気になる倍率と、未経験でも合格しやすい職種は?

 

全体の倍率は約1.5倍〜3倍と、そこまで高くはありません。そして、合格の鍵を握るのが「職種の選び方」です。

看護師や理学療法士のような専門資格が必要な職種もあれば、特別な実務経験がなくても応募できる職種もたくさんあります。

【新卒・未経験者におすすめの職種例】

  • 青少年活動: 子どもたちとスポーツや文化活動を行う。
  • コミュニティ開発: 村の住民と一緒に、生活改善の活動を計画・実行する。
  • 環境教育: ゴミ問題やリサイクルについて、学校や地域で啓発活動を行う。
  • PCインストラクター: 現地の学校や役場で、基本的なPCスキルを教える。

これらの職種は、専門知識よりも、「現地の人々と、誠実に関係を築けるか」という、あなたの人間性やコミュニケーション能力が重視されます。

 

【体験談】新卒・未経験だった私が、協力隊になれた理由

 

「本当に、新卒で合格できるの?」 はい、できます。何を隠そう、この私も大学卒業後すぐの「新卒枠」で応募し、合格・派遣されました。

私の同期隊員にも、新卒者はたくさんいました。 では、スキルも経験もなかった私が、なぜ合格できたのか。その理由は、合格後に参加した「派遣前訓練」の中に隠されています。

 

 知識ゼロでもプロに育てる「技術補完研修」

 

私は「環境教育」という職種で合格しましたが、環境問題に関する専門知識は皆無でした。しかし、派遣前には「技術補完研修」という制度があり、専門家から集中的に講義を受けたり、リサイクル施設の視察をしたりと、活動に必要な最低限の知識をインプットする機会が与えられます。

 

語学力ゼロでも話せるようにする「70日間の語学訓練」

 

私が派遣されたカメルーンは、フランス語圏。訓練前は「ボンジュール」しか知らなかった私が、70日後には、フランス語で自己紹介や簡単なプレゼンができるレベルに到達しました。毎日課される大量の宿題は大変でしたが、「派遣」という明確な目標があるため、人生で最も集中して語学を学んだ期間でした。

 

異文化で生き抜く力を養う「規律ある集団生活」

 

訓練所での生活は、朝6時起床のラジオ体操から始まる、規律正しい集団生活です(※2016年当時)。

初対面の、バックグラウンドも年齢もバラバラな仲間たちと衣食住を共にし、議論を重ねる。この経験を通じて、多様な価値観を受け入れ、チームで協力する力が、自然と養われていきました。

つまり、JICAは「現時点で完璧な人材」を求めているのではありません。

「現地で、周囲と協力しながら、自ら学び、成長していけるポテンシャルがあるか」を見ているのです。

 

まとめ:あなたの「やってみたい」が、最初の資格です

 

JICA海外協力隊は、特別なスキルや社会人経験がなくても、「海外の課題に、本気で向き合いたい」「異文化の中で、自分を成長させたい」という熱い想いを持つ、すべての人に門戸が開かれています。

かつて、就職活動に失敗し、自分に全く自信がなかった私でも、協力隊での経験が、その後の人生を切り拓く大きな力になりました。

次は、あなたの番です。 まずは、JICA海外協力隊の公式サイトで、どんな国から、どんな仕事の募集が出ているのか、眺めてみることから始めてみませんか?

あなたのその、小さな「やってみたい」という気持ちこそが、国境を越えるための、最も大切な最初の資格なのですから。


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  • この記事を書いた人

おぽきょ

おぽきょ|国際協力 × 地方暮らし × 資産形成 元JICA海外協力隊→大使館→現在NPOリモートワーカー。熊本在住。月収16.6万円で総資産1100万円を達成した、リアルな国際協力キャリアと、地方で始める「お金の不安ゼロ」の資産形成術を発信中。

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