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【元JICA・大使館職員が解説】私も通った道。「アポスティーユ」申請の面倒な全手順と必要書類(2025年最新)

こんにちは。元JICA海外協力隊で、海外留学・大使館勤務も経験した、おぽきょです。

この記事を読んでいるあなたは、今、留学や駐在、JICAの合格が決まり、大量の提出書類を前に、途方に暮れていませんか?

私もコスタリカとフィリピンに留学が決まった際、初めて聞いた手続きがありました。
手続きが超大変。中でも理解することに苦労したのが「アポスティーユ申請」

あp@!?とはなんでしょうね?

アポスティーユ (Apostille) とは、...(中略)...駐日領事による認証に代わり公文書に外務省、公証人役場等が実施する付箋による証明のこと。
wikipedia より

チョー簡単にいうと、
日本の正式な文章を、海外(提出先)でも「これは本物ですよ」と“国”が証明するための手続き(ハンコ)です。

今日はこれについて、わかりやすううううく説明します!

 

なぜこの記事を書くか?(アポスティーユ情報の少なさ)

...急にこんな柄でもない、実用的な内容を書き始めたことには理由があります。
アポスティーユとGoogle検索しても、情報がすくなすぎなんです!

1番にたどり着くのは外務省のホームページなのだけど、そもそもアポスティーユがなんなのかよくわかってないと日本語なのに理解できません。

(※私も2021年にこの記事の元ネタをはてなブログに書いたのですが、未だに読まれているようです)

わかりやすーく書いているブログやサイトが少なかったので、困っている人がいたらこれを役立てて欲しいなと思います。

STEP1:あなたの書類は「アポスティーユ」?「公印確認」?

まず、あなたの「提出先の国」が、「ハーグ条約」というのを締結しているか確認してください。
→外務省 ハーグ条約締約国一覧

  • (A)締約国(アメリカ、イギリス、フランス、韓国など多数):
    「アポスティーユ」(この記事で解説)に進みます。
  • (B)非・締約国(フィリピン、中国、ベトナムなど):
    「公印確認」という、別の手続き(外務省→在日大使館/領事館)が必要です。

(※私はコスタリカ(A)とフィリピン(B)両方経験したので、両方やりました...)

STEP2:あなたの書類は「公文書」?「私文書」?

次に、あなたが「ハンコ」をもらいたい書類が、どちらなのか確認してください。
これが、あなたの「手間」と「費用」を決定づける、最大の分岐点です。

(A)公文書(手続きがカンタン)

「国」や「公立機関」が発行した書類です。

  • 戸籍謄本、住民票
  • (国立大学)の卒業証明書、成績証明書
  • 犯罪経歴証明書(警察署で発行) など

→【手続き】
これらは、外務省(東京・大阪)に直接郵送(または窓口)するだけで、無料でアポスティーユがもらえます。この記事は読了です!おめでとうございます!
→外務省 公文書の申請ページ

(B)私文書(手続きが超・面倒)

「民間」が発行した書類です。

  • (私立大学)の卒業証明書、成績証明書
  • 銀行の残高証明書
  • (自分で作成した)翻訳文 など

→【手続き】
これらは、外務省にいきなり送っても「これは本物か分かりません」と突き返されます。
この記事の本題は、ここからです。

【2025年最新】私文書のアポスティーユ申請(昔と今)

私文書をアポスティーユするには、まず「公証役場」で「これは本物です」という認証をもらう必要があります。

【昔】私がやった「スタンプラリー」時代(〜2021年頃)

私がコスタリカ留学のために手続きした2021年頃は、本当に大変でした。

(↑外務省HPより、私文書のスタンプラリー図)

私文書は、①公証役場 → ②法務局 → ③外務省 という「スタンプラリー」が必要でした。
「ワンストップサービス」という、①〜③を「公証役場」が全部やってくれる神サービスもありましたが、それでも、平日に、大阪(梅田)の公証役場まで「出向く」必要がありました。

手数料も、1通あたり11,500円と、非常に高額でした...。

【今】「テレビ電話」で完結する時代(2025年最新)

朗報です。時代は変わりました。

法改正により、今は、公証役場に「行かなくても」、
「テレビ電話(ビデオ通話)」と「郵送」だけで、
「ワンストップサービス」を完結できるようになったのです!

おぽきょ
おぽきょ
(いやはや、便利になったもんだよ...

【図解】テレビ電話(郵送)でアポスティーユを終わらせる全手順

私立大学の卒業証書を、自宅にいながらアポスティーユする方法です。

手順1:テレビ電話対応の「公証役場」を探す

まず、あなたの近くの公証役場が、「テレビ電話」による「ワンストップサービス」に対応しているか確認します。
(※東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府の公証役場は、基本的にワンストップ対応です)

🔗 (例)大阪(梅田)公証役場

手順2:公証役場に「電話」か「メール」する

「私立大学の卒業証書のアポスティーユを、テレビ電話と郵送でお願いしたいです」と伝えます。
担当の方が、優しく手順を教えてくれます。

手順3:必要書類を準備する

(※公証役場の指示に従ってください)

  1. アポスティーユしたい書類の「原本」
    (例:私立大学の卒業証明書・成績証明書)
  2. 宣誓文(せんせいぶん)
    (「この書類は本物です」と誓う、A4・1枚の紙。形式は公証役場が教えてくれます)
  3. 身分証明書
    (マイナンバーカード、または「免許証+印鑑登録証明書」など)
  4. 返信用レターパック(書類を返送してもらうため)

手順4:「テレビ電話」で本人確認(約5分)

予約した日時に、公証人と「テレビ電話(スマホのZoomやPC)」を繋ぎます。
身分証明書をカメラに見せ、「私はおぽきょです。この書類は本物です」と(宣誓文を読み上げて)誓います。これで「認証」は完了です。

手順5:書類一式を「郵送」する

テレビ電話が終わったら、指示された書類(①原本、③身分証コピーなど)を、公証役場に郵送します。

手順6:手数料を払い、待つ

公証役場に書類が届くと、手数料(1通 11,500円程度)の支払い案内が来ます。
振込などで支払うと、公証人があなたに代わって「法務局」と「外務省」のハンコを(内部で)貰ってくれます。

手順7:アポスティーユ付き書類が「郵送」で届く

数日~1週間後、あなたの自宅に、外務省のハンコ(アポスティーユ)が押された書類が、レターパックで届きます。これで、全て完了です!

まとめ:面倒だけど、これが「世界」のルール

自分自身が非常に理解に苦労したこの手続き。
(2021年当時は、平日に仕事を休んで梅田まで行きました...)

今は「テレビ電話」という最強の近道ができました。
この記事が、今まさに困っているあなたの役に立つことを、心から願っています。


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  • この記事を書いた人

おぽきょ

おぽきょ|「やりがい」と「お金」を両立する人。大使館時代の“種銭”をNISAで“育て”総資産1100万に。その“仕組み”で、月収16.6万のNPO(熊本)でも「お金の不安ゼロ」で暮らす術を発信中。元JICA海外協力隊🇨🇲|元アフリカ大使館職員|ブログは↓の固定ツイートから

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