国際協力キャリア

【国際協力の仕事7選】未経験でもOK?元JICA・大使館職員が「天職」の見つけ方と「お金のリアル」を全解説

こんにちは。元JICA海外協力隊で、現在は地方からNPOにリモート勤務している、おぽきょです。

「国際協力の仕事に興味があるけど、種類が多すぎて、何が自分に合っているか分からない…」 「特別なスキルもない未経験の自分でも、本当にこの世界でやっていけるんだろうか…」

かつての私がそうだったように、憧れと同時に、たくさんの「?」が頭に浮かんでいませんか?

正直に言うと、私は学生時代、「何者にもなれない」という強い焦りを感じていました。勉強も人並み以下で、人付き合いも積極的ではない。ただ、「海外で働いてみたい」という強い思いだけを胸に、手探りでこの世界に飛び込みました。

この記事では、そんな私の失敗と成功の経験を元に、数ある国際協力の仕事の中から、あなたにピッタリの「天職」を見つけるための具体的な方法を、分かりやすく解説します。

これを読めば、漠然としていた国際協力への道筋が、くっきりとした地図に変わるはずです。

 

そもそも「国際協力」とは?

国際協力とは、国や文化の違いを越えて、世界中の人々が直面する課題(貧困、紛争、環境問題など)を、共に解決していくための活動全般を指します。

大切なのは、「一方的に助ける」のではなく、「相手が自立するための、パートナーになる」という視点です。井戸を掘るだけでなく、井戸の作り方や修理の仕方を一緒に学ぶ。私たちが主役になるのではなく、現地の人の力を引き出すことが、本当の国際協力なのです。

【経験者が語る】国際協力に本当に必要な「たった2つの資質」

「自分は国際協力に向いているんだろうか…」と不安に思うかもしれません。 よく「柔軟性」や「精神的なタフさ」が必要だと言われますが、そうした力の多くは、実際に現地で暮らし、失敗を繰り返す中で、少しずつ身についていくものです。最初から完璧である必要は全くありません。

私の経験上、本当に必要な資質は、もっとシンプルで、たった2つだけだと感じています。

  1. 「やってみたい」という、シンプルな好奇心 スキルや経験に自信がなくても、「国際協力の世界を、この目で見てみたい」という素直な気持ちこそが、あなたを突き動かす最も強力なエンジンになります。
  2. 周囲への「尊敬」と「感謝」の気持ち 私たちは、何かを「教えてあげる」ために現地へ行くのではありません。「教えてもらう」「助けてもらう」という謙虚な気持ちが何よりも大切です。この姿勢があれば、あなたの想いは必ず相手に伝わります。

【職種パターン別】国際協力の仕事7選

現地で支える仕事(技術協力、コミュニティ開発など)

 

最もイメージしやすい「現場型」の仕事です。JICA海外協力隊や、国際NGOの海外駐在員などがこれにあたります。

おぽきょ
おぽきょ
アフリカでの協力隊時代、最初は語学や生活に慣れることで精一杯でした。でも少しずつ、ご近所の人との挨拶や世間話の大切さに気づき、「自分が何をしたいか」ではなく「誰と、どんな風に過ごすか」が仕事をする上で大切だと学んだのです。専門性以上に、人と誠実に関係を築く力が問われます。

 

支援をつなぐ仕事(資金管理、プロジェクト管理など)

 

活動の「心臓部」を担う、重要な「支援型」の仕事です。寄付金の管理や、プロジェクト全体の計画立案、進捗管理などを行います。

  • ポイント: 一般企業での経理や総務、マネジメント経験がそのまま活かせることが多く、社会人からのキャリアチェンジにも向いています。

 

広報・発信する仕事(ファンドレイジング、啓発活動など)

 

活動の「命綱」である資金や、社会の理解を得るための「発信型」の仕事です。

おぽきょ
おぽきょ
 現在、私が日本のNPOで担当しているのが、このファンドレイジング(資金調達)です。支援者の方々に活動の意義を伝え、共感してもらうことが、海外の現場を動かす力になります。「伝える力」は、どこでも生きる強力なスキルです。

 

日本でできる仕事(国内NPO職員、支援団体スタッフなど)

 

「支援型」と「発信型」を兼ねることが多い、国内での仕事です。

おぽきょ
おぽきょ
「海外に行くだけが国際協力じゃない」。20代は海外を転々としていましたが、30代になり、日本に腰を据えた今、この言葉を日々実感しています。国内からでも、世界と深く繋がれる方法は、確実に存在します。

とはいえ、正直に言えば「海外駐在」に比べると、給与は控えめです。

私が「やりがい」を選びつつ、どうやって「地方リモート(月収16.6万円)」という働き方を実現しているのか。そのリアルな家計簿は、こちらの記事で公開しています👇。

研究・政策に関わる仕事(研究者、国際機関職員など)

 

より大きな視点から、社会の「仕組み」を変えようとする仕事です。大学やシンクタンク、国連などの国際機関で、政策を提言したり、新しい支援のあり方を研究したりします。

  • ポイント: 現場の経験に加え、大学院の修士号以上の高い専門性が求められる、キャリアの目標地点の一つです。

教育に関わる仕事(教師、日本語教師など)

 

未来を担う「人」を育てる、息の長い仕事です。現地の学校で理科を教えたり、日本語を教えたり、時には現地の先生を育成する活動も行います。

  • ポイント: 子どもが好き、教えるのが好き、という気持ちが、何よりの原動力になります。

 

緊急支援の仕事(人道支援ワーカー)

 

災害や紛争など、命の危機に瀕している人々を、最前線で救う仕事です。医療、食糧配給、安全管理など、特定の専門スキルと、極限状況下での冷静な判断力が求められます。

  • ポイント: 平和な時に備え、厳しい訓練を積んだプロフェッショナルたちが活躍する、非常に専門性の高い分野です。

【お金のリアル】国際協力の仕事で、食べていけるのか?

 

「やりがいはありそうだけど、実際、お給料はどうなの?」これは、誰もが抱く、最も切実な疑問だと思います。

正直にお話しすると、職種や団体によって様々ですが、一般企業と比べて、収入が不安定になりがちなのは事実です。

しかし、「給与が低くても、貯金はできる」というケースも存在します。

その代表例が、JICA海外協力隊です。協力隊員に支給される生活費は、現地の公務員と同じくらいの金額ですが、2年間の任期満了後には、200万円近い貯金を作ることが可能です。

 

そのカラクリは、以下の3つです。

  1. 現地の物価が安い: 私がいたカメルーンのように、開発途上国の多くは日本より物価が安く、支給される生活費でも十分に暮らせます。
  2. 手当が充実している: 家賃は原則JICA負担ですし、生活費とは別に、様々な手当が支給されます。
  3. 社会復帰手当が支給される: 任期満了後、帰国後の生活のために「社会復帰手当」という、まとまったお金が振り込まれます。

大切なのは、目先の給与額だけでなく、「その仕事を通じて、最終的にどれくらいの資産を形成できるのか」という、長期的な視点です。

まさに、このJICA時代に貯めた約200万円が、私の「資産形成」の原点(種銭)となりました。

「やりがい」を追求しながら「お金の不安」もゼロにした、私の具体的な資産形成の全ノウハウは、こちらの記事で詳しく解説しています👇。

 

自分に合う「天職」を見つける3つのコツ

 

  1. 「誰に」「何を」したいかを考える 「子どもたちに教育を届けたい」「災害で困っている人を直接助けたい」「社会の仕組みから変えたい」など、あなたが最も情熱を注げる分野を見つけましょう。
  2. 「働き方」と「ライフスタイル」を想像する 「海外に長期滞在したい」のか、「日本を拠点にしたい」のか。あなたの理想の生活と、仕事のスタイルをすり合わせることが大切です。
  3. 小さな一歩から経験してみる いきなり転職や進学を決める必要はありません。まずは国内のNPOでのボ-ランティアや、国際協力イベントに参加してみるなど、小さな一歩から経験を積むことで、自分に合う道が自然と見えてきます。

まとめ|あなたらしい「関わり方」が、世界の誰かの力になる

 

国際協力の仕事には、本当にたくさんの扉があります。どの扉を開けるかは、あなた次第です。

大切なのは、「相手のことを思いやる気持ち」と「学び続ける姿勢」。 専門知識や語学力は、後からでも必ず身につけられます。

この記事を読んで、「ちょっと面白そうかも」と少しでも心が動いたなら、もうあなたの一歩目は始まっています。 その小さな好奇心こそが、世界の誰かの力になり、そして、あなた自身の人生を、もっと豊かにしてくれるのですから。


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【参考】

  • この記事を書いた人

おぽきょ

おぽきょ|「やりがい」と「お金」を両立する人。大使館時代の“種銭”をNISAで“育て”総資産1100万に。その“仕組み”で、月収16.6万のNPO(熊本)でも「お金の不安ゼロ」で暮らす術を発信中。元JICA海外協力隊🇨🇲|元アフリカ大使館職員|ブログは↓の固定ツイートから

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