国際協力キャリア

「国際協力の仕事は、やめとけ」は本当?元協力隊が語る、天国と地獄

こんにちは。JICA海外協力隊としてアフリカで2年、その後、大使館やNPOで「理想」と「現実」の両方を経験してきた、おぽきょです。

「国際協力なんて、自己満足だ」 「給料も安いし、キャリアも不安定。やめておけ」

そんな冷ややかな声を、あなたも耳にしたことがあるかもしれません。

正直に言って、その言葉は、半分は正しく、そして半分は間違っています。

この記事では、インターネット上のキレイゴトだけでは分からない、国際協力の現場で私が実際に味わった天国のような喜びと、地獄のような葛藤を、私の体験談として、本音で語ります。

この記事を最後まで読めば、あなたが本当にこの道に進むべきかどうかの、心の準備ができるはずです。

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私が味わった「天国」:お金では決して買えない、人生の宝物

 

国際協力の仕事で得られる最大の報酬は、お金ではありません。それは、あなたの価値観を根底から揺さぶるような、強烈な体験です。

 

宝物1:弱さを、強さに変えてくれた「人との繋がり」

 

アフリカ・カメルーンで活動していた頃、停電で真っ暗な夜、私はよくロウソクの灯りの下で、隣人の2児のママ、ラリサとおしゃべりをしました。言葉は拙くても、笑い合い、互いの家族を想う気持ちは、不思議と通じ合いました。もちろん、100円を貸してと言われて貸したら戻ってこないとか、一人になりたいのに話したいと呼び出されるとかいったこともありましたが、日本では「当たり前」の便利さがない代わりに、そこには「当たり前」の人の温かさがありました。夕暮れ時に、ラリサと我が家の警備員と一緒にラリサの手料理を食べた想い出はやはりずっと心に残っています。この経験が、私の生きる力を何倍にも強くしてくれたのです。

 

宝物2:世界中にできた「第二の故郷」

 

配属先の学校。先生との意見のすれ違いや「丸投げ」とも言えるような業務依頼に頭を悩まされたことも多く、決して何かを成し遂げたわけでもなく、何か彼らの力になれたという自負はありませんでした。それでも、私の家族がカメルーンに遊びに来た時は、娘のことのように喜んでくれて、「その日はもう祝日だな!」なんて言いながら私の家族を迎え入れる準備を入念にしてくれました。

そして2年の任期を終えて日本に帰国する日には、学校の同僚と生徒たちが、歌とダンスで、涙を流しながら見送ってくれました。
「いつでも帰ってきて」と。
世界のどこかに、心から「ただいま」と言える場所がある。これほど心強いことはありません。

 

宝物3:「何もない」から生まれる「創造力」

 

現場は、常に想定外の連続です。
「ないもの」を数えるのではなく、「今あるもので、何ができるか?」と知恵を絞る毎日。
この経験は、どんなビジネス書を読むよりも、私の問題解決能力と創造力を鍛えてくれました。
そしてまさに今の職場(国際NPO)でも駐在員がよくこのように言います。
「現地にあるものを組み合わせてできることを考える。つまりブリコラージュ。それをすることで現地の人たちが自立する。」

私たちの仕事は、『やがてなくなる時』こそが彼らの平和が取り戻された時。
そんな想いで働いている人たちの意見をいつも取り入れられるのは貴重で、人生の糧になり続けています。
協力隊経験がなければ、この道を選ばなかったと思います。

デメリット:覚悟しておくべき「お金」と「キャリア」の3つの壁

もちろん、厳しい現実も存在します。特に、多くの人が直面するのが、以下の3つの壁です。

「お金」の壁:不安定な収入

国際協力の仕事、特にNPO/NGO職員などは、一般企業に比べて収入が不安定になりがちです。私自身、NPOに転職した際、以前の職場と比べて収入は半減しました。

【お金のリアル】NPO勤務で収入は半減。でも、絶望しなかった理由

しかし、そこで私が絶望しなかったのは、協力隊時代に意外と貯金ができたこと(2年間で約200万円)、そして「収入の多さに頼らない資産形成の仕組み」を学んでいたからです。

収入面での不安は、正しい金融知識を持つことで、ある程度はカバーできます。具体的な方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。

「キャリア」の壁:不透明な道のり

一般企業のように、決まったキャリアパスや昇進のルートが見えにくいのが特徴です。

「このままで、将来大丈夫だろうか…」と、キャリアの先行きに不安を感じる人も少なくありません。

常に自分自身でキャリアを切り拓いていく、という強い意志が必要です。

「プライベート」の壁:家庭との両立

数年単位の海外駐在や、治安の悪い地域への長期出張も珍しくありません。そのため、結婚や子育て、家族の介護といったライフイベントと、仕事との両立に悩む人も多くいます。パートナーや家族の深い理解と協力が不可欠になります。

 

それでも、私がこの道を辞めなかった理由

 

では、なぜ私は、そんな葛藤を抱えながらも、この道を歩み続けているのでしょうか。

それは、カメルーンの村で出会った、あの光景が、今も私の心を照らしているからです。

私が現地の先生や隊員と一緒に作った、拙いフランス語の「手洗いの歌」。

ある日、市場を歩いていると、私を知らない子どもたちが、その歌を楽しそうに口ずさみながら、バケツで手を洗っていたこと。

いつも「ヒーホー!(中国の挨拶を真似ている)」と茶化してくる子どもたちが、「コンニチハ!」と関西弁で言えるようになったこと。

私の存在など、もう関係ない。 私が伝えたかった小さな「種」が、コミュニティの中に根付き、彼ら自身の力で、新しい「日常」になっている。

その光景を見た時の、胸が張り裂けそうなほどの、静かな感動。 この瞬間に立ち会うために、私はこの仕事をしているんだ。そう、心から思えたのです。

まとめ:あなたは、天国と地獄、どちらに心を動かされますか?

 

国際協力は、誰かのためでありながら、自分自身の「傲慢さ」や「無力さ」と、嫌というほど向き合う道でもあります。

この記事で紹介した「天国」と「地獄」、その両方を読んだ上で、あなたの心は、今、どちらに、より強く惹きつけられていますか?

もし、あなたが「地獄」の葛藤に怯む気持ちよりも、「天国」の瞬間に心を震わせる気持ちの方が、少しでも上回っているのなら。

あなたには、この道に進む資格が十分にあります。 その葛藤の先にある、お金では決して買えない「宝物」を探す旅へ、ぜひ一歩を踏み出してみてください。

🪝この記事を読んで「お金の不安」を感じたあなたへ

 

もしあなたが、この記事の「地獄」のパート、特に「キャリア」や「不安定さ」に共感し、

「国際協力には進みたい。でも、将来のお金がどうしても不安だ…」

と感じているなら、ぜひ次にこちらの記事を読んでください。

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  • この記事を書いた人

おぽきょ

おぽきょ|「やりがい」と「お金」を両立する人。大使館時代の“種銭”をNISAで“育て”総資産1100万に。その“仕組み”で、月収16.6万のNPO(熊本)でも「お金の不安ゼロ」で暮らす術を発信中。元JICA海外協力隊🇨🇲|元アフリカ大使館職員|ブログは↓の固定ツイートから

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