資産管理

私がMLMに挑戦して、1年で辞めた理由|「コミュニティ」と「お金」の、少し苦い話

こんにちは、おぽきょです。

この記事では、私のキャリアの中で、少しだけ寄り道をした時の話をさせてください。 それは、私がMLM(ネットワークビジネス)と呼ばれるビジネスモデルに、1年間だけ挑戦していた時のことです。

この経験は、成功譚ではありません。 むしろ、不器用で、少し苦い、私自身の葛藤の記録です。

でも、この経験があったからこそ、今の私の「お金」や「働き方」に対する確固たる哲学が生まれました。もし、かつての私のように、「何か新しいことを始めたい」「もっと人との繋がりが欲しい」と、人生の岐路で心が揺れている方がいれば、この話が何かのヒントになるかもしれません。

 

なぜ私は、あのビジネスに惹かれたのか

 

私がそのビジネスに足を踏み入れたのは、父が亡くなった直後で、人生の中でも特に精神的に不安定な時期でした。心にぽっかりと穴が空いたような、強い孤独感の中にいました。

そんな時、学生時代の友人から、あるビジネスコミュニティに誘われました。

実は、私の母が過去にAmwayでうまくいかなかった姿を見ていたため、一度はその誘いを断ったのです。友人相手のビジネスには、もともと抵抗感がありました。

しかし、その友人は、自身のパートナーさんがそのコミュニティで生き生きと活動し、成功している姿を、本当にキラキラした目で語ってくれました。

「この場所が、彼女の人生を本当に豊かにしたんだ」と。

 

その純粋な想いに触れ、「頭ごなしに批判するのも違うのかもしれない」

「もしかしたら、今の自分を変えるきっかけになるかもしれない」と私の心も動かされてしまいました。

 

何より、当時の私は、どこかに「所属したい」という、心の弱さを抱えていました。

そのコミュニティの持つ、夢を語り合い、互いを認め合う温かい雰囲気が、私にはとても魅力的に見えたのです。

 

1年間の活動で、私が「得たもの」と「感じた違和感」

 

「1年間だけ」と期間を決め、私はその活動に真剣に取り組みました。 その中で、確かに得たものもありました。

  • 人前で話す度胸: 普段連絡しない相手に連絡をして話を持ちかけていく中で、営業的なコミュニケーションスキルは上達したかもしれません。
  • 目標設定の習慣: 日々の目標を立て、行動するというビジネスの基本は、学ぶべき点も多かったです。
  • 一時的な高揚感: セミナーやミーティングで仲間と会うと、「自分も頑張っている」という一体感や高揚感を感じることができました。

しかし、活動を続けるうちに、私の心の中には、どうしても消すことのできない「小さな違和感」が、少しずつ大きくなっていきました。

それは、ビジネスを拡大するための基本的な手法が、「自分の大切な友人や知人をリストアップし、順番に声をかけていく」ことだったからです。

 

私が越えられなかった「最後の壁」と、目が覚めた「パートナーの言葉」

 

私がどうしても越えられなかった壁。 それは、「相手の、私に対する信頼や善意を、ビジネスの利益に変える」という行為に対する、根本的な罪悪感でした。

思うように成果が出せない私に、コミュニティの先輩的な人は、こう言いました。

 

「結果が出ないのは、あなたが心の底から相手に本音を言わないから。あなたが言わないから相手も本音を言わない。そんな希薄な人間関係を続けてきたのだ」と。

その言葉は、ナイフのように私の胸に突き突き刺さりました。

「やっぱり、自分はダメな人間なんだ…」 就活に失敗した時の、あのコンプレックスが、再び頭をもたげました。

 

その夜、傷ついた私は、今のパートナーに全てを話しました。 彼は、それまで私の活動を否定せず、静かに見守ってくれていましたが、この話を聞いて、はっきりとこう言ってくれたのです。

「ビジネスの成果と人間性は、全く関係ないと思う。人の弱みにつけ込んで、そんな風に追い詰める場所自体が、おかしいんじゃない?」

 

その客観的で、やさしい言葉が、まるで魔法のように、私の目を覚ましてくれました。

「ああ、そうか。私は、自分を責める必要なんてなかったんだ」と。

私が本当に大切にしたいのは、誰かのせいにして自分を追い詰めるコミュニティではなく、ありのままの私を信じてくれる、目の前のパートナーだ。

 

そう確信し、私は活動開始からきっかり1年後、そのビジネスから離れることを決断しました。

 

まとめ:この経験が、私の「資産形成」の原点になった

 

この少し苦い経験は、しかし、私の人生に非常に重要な教訓を残してくれました。 それは、「お金は、人間関係の外で、クリーンに育てるべきだ」という確信です。

この経験があったからこそ、私は、

  • 誰にも気兼ねすることなく
  • 自分の信念だけで判断でき
  • 人間関係を一切利用しない

「S&P500」や「オルカン」といった、全世界の経済成長にただ乗るだけ、というインデックス投資の、静かで、誠実な世界に心から惹かれることになりました。

遠回りしましたが、あの1年間の葛藤があったからこそ、今の私の揺るぎない投資哲学があります。

もしあなたが、何かに迷い、心の拠り所を探しているなら。

その選択が、あなたの大切な人間関係を、少しでも傷つける可能性がないか、一度だけ立ち止まって考えてみてください。

あなたの人生を本当に豊かにしてくれるのは、一攫千金ではなく、信頼できる人たちとの、温かくて誠実な繋がりなのだと、私は信じています。

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  • この記事を書いた人

おぽきょ

おぽきょ|国際協力 × 地方暮らし × 資産形成 元JICA海外協力隊→大使館→現在NPOリモートワーカー。熊本在住。月収16.6万円で総資産1100万円を達成した、リアルな国際協力キャリアと、地方で始める「お金の不安ゼロ」の資産形成術を発信中。

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